2007年12月21日
サイラス・チェスナット
初夏の匂いのする早朝。
僕は入梅を待たずに
東京へ旅立った。
同居していた先輩は遅番だったのに
早起きをして見送りをしてくれた。
泣きそうになって
ちょっと困った。
一号線を歩いて北上した。
東京まで約300キロ。
19歳の僕は
たくさんのことを考えながら
歩いていたような気がするけれど
27歳の僕には
もう
思い出すことが
できない。
歩いて歩いて歩き疲れた頃
僕はスケッチブックにマジックで
大きく「伊豆」と書き
一号線の傍に立った。
何台かのトラックと
何台かの物好きな車に揺られ
僕は伊豆の修善寺に着いた。
ユースホステルに宿をとった。
シーズンオフで僕以外に客はいなかった。
満点の星に
宇宙の無限を見た。
きりりと咲く花菖蒲に
清廉さを見た。
咲き乱れる紫陽花の
移り行く色に
ことばにならない寂しさを見た。
僕は入梅を待たずに
東京へ旅立った。
同居していた先輩は遅番だったのに
早起きをして見送りをしてくれた。
泣きそうになって
ちょっと困った。
一号線を歩いて北上した。
東京まで約300キロ。
19歳の僕は
たくさんのことを考えながら
歩いていたような気がするけれど
27歳の僕には
もう
思い出すことが
できない。
歩いて歩いて歩き疲れた頃
僕はスケッチブックにマジックで
大きく「伊豆」と書き
一号線の傍に立った。
何台かのトラックと
何台かの物好きな車に揺られ
僕は伊豆の修善寺に着いた。
ユースホステルに宿をとった。
シーズンオフで僕以外に客はいなかった。
満点の星に
宇宙の無限を見た。
きりりと咲く花菖蒲に
清廉さを見た。
咲き乱れる紫陽花の
移り行く色に
ことばにならない寂しさを見た。
2007年12月13日
コル・ノーラン
「自分のために書く文章は
どんな文章にも勝る。」
by.ウィリアム・フォレスター
ある種類の人間は
その人にとっての真実を
形にすることで救われている。
真実は
きっと
どこにでもある。
道端のカタバミにも
モノレール赤嶺駅の改札にも
トップシークレットが漏れてしまった
イージス艦にも
間違いなく
存在する。
それを受け取ることができないのは
結局
その人自身の問題なのだ。
「人は信じたほうがいいのよ」
僕の母親はそう言った。
少なくとも
今のところ
そのとおりだと
僕は思う。
どんな文章にも勝る。」
by.ウィリアム・フォレスター
ある種類の人間は
その人にとっての真実を
形にすることで救われている。
真実は
きっと
どこにでもある。
道端のカタバミにも
モノレール赤嶺駅の改札にも
トップシークレットが漏れてしまった
イージス艦にも
間違いなく
存在する。
それを受け取ることができないのは
結局
その人自身の問題なのだ。
「人は信じたほうがいいのよ」
僕の母親はそう言った。
少なくとも
今のところ
そのとおりだと
僕は思う。
2007年12月11日
ケビン・ハント
静岡で3ヶ月ほど働いた後
僕は東京へ行くことを決めた。
きっかけは
お給料の引き下げだった。
もちろんそれは
直接的な理由なんかじゃない。
僕は
父親の新しいマンションを
見てみたかったし
父親の新しい女の人を
見てみたかった。
何より
父親に
会いたかった。
真っ白い便箋に
こちらの事情と
できれば居候をさせてほしい旨を
手短にまとめた。
僕が父親に何かを頼むことは
生まれて初めてだった。
最後にsinserelyと記した。
本心だった。
父親は信じられないことに
快諾してくれた。
僕は東京へ行くことを決めた。
きっかけは
お給料の引き下げだった。
もちろんそれは
直接的な理由なんかじゃない。
僕は
父親の新しいマンションを
見てみたかったし
父親の新しい女の人を
見てみたかった。
何より
父親に
会いたかった。
真っ白い便箋に
こちらの事情と
できれば居候をさせてほしい旨を
手短にまとめた。
僕が父親に何かを頼むことは
生まれて初めてだった。
最後にsinserelyと記した。
本心だった。
父親は信じられないことに
快諾してくれた。
2007年12月03日
クリフォード・ブラウン
僕はよく
掛川城の天守閣に登った。
運が良ければ
青く輝く
富士山が拝めた。
天守閣にいる
案内役のおじさんは
城にまつわる
話を聞かせてくれた。
このお城には
敵に攻め入られた場合の
様々な工夫が施されていたのだが
そのことについておじさんは
それはそれは
一生懸命説明してくれた。
どうやらそういう先人達の知恵を
かなり誇りに思っているようだった。
僕にとっては
富士山と同じくらい
輝いているおじさんだった。
掛川城の天守閣に登った。
運が良ければ
青く輝く
富士山が拝めた。
天守閣にいる
案内役のおじさんは
城にまつわる
話を聞かせてくれた。
このお城には
敵に攻め入られた場合の
様々な工夫が施されていたのだが
そのことについておじさんは
それはそれは
一生懸命説明してくれた。
どうやらそういう先人達の知恵を
かなり誇りに思っているようだった。
僕にとっては
富士山と同じくらい
輝いているおじさんだった。
2007年12月02日
キーラン・オーバース
人々の役に立っている川に
国土交通省は勲章を与えた。
一級河川
海に囲まれた沖縄には存在しない
長くて広くてやさしい川だ。
大井川の河川敷は素晴らしかった。
静岡での暮らしがスタートしたのは
折しも3月
花のとき。
僕は休日になると
よく川沿いを散歩した。
桜は素晴らしくうつくしく
川沿いに咲く
名も無き花も
命の限り
萌えていた。
強烈に「はる」だった。
春はお別れ。
ずいぶん前のかすかな記憶が
僕を揺さぶったけれど
僕は気付かないふりをした。
国土交通省は勲章を与えた。
一級河川
海に囲まれた沖縄には存在しない
長くて広くてやさしい川だ。
大井川の河川敷は素晴らしかった。
静岡での暮らしがスタートしたのは
折しも3月
花のとき。
僕は休日になると
よく川沿いを散歩した。
桜は素晴らしくうつくしく
川沿いに咲く
名も無き花も
命の限り
萌えていた。
強烈に「はる」だった。
春はお別れ。
ずいぶん前のかすかな記憶が
僕を揺さぶったけれど
僕は気付かないふりをした。


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