2008年06月23日

クロード・ウィリアムソン

『夏は夜』

そういったのは
1000年以上前の
女の人だ。

僕の住む町から
少し車を走らせると
水の里がある。

そこでは
蛍がたくさん
見れる。

暗がりで
目を凝らしていると
少しづつ
増えていく。

翌朝には
消えていく儚い光だ。




海に入ると
夜光虫が
僕の身体を
うつくしく縁取る。

あの
冷たく青い光。

光ったかと思ったら
すぐに消える。

幼いころ
母親が
夜毎の
伽に聞かせてくれた
海蛍。


どうして

闇のなかの

かすかな光が

これほど

いとおしく

まぶたに残って

消えないのだろう?


僕は思わず
暗がりに手を伸ばす。
そして
むなしく宙をつかむ。




せめて

ぬくもりを。



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